YOASOBIの群青を解説してみた
原作は『ブルーピリオド』という小説からだ。
早速、『群青』を解説していきたい。
『嗚呼、いつもの様に過ぎる日々に
あくびが出る さんざめく夜、越え、
今日も渋谷の街に朝が降る
どこか虚しいようなそんな気持ち
つまらないな でもそれでいい
そんなもんさ これでいい』
夜の渋谷がにぎやかなのか、ネオンの街が眩しいのか、そんな気持ちつまり好きでもない友達と他愛もない話で盛り上がった帰り道が虚しいと主人公は感じている。
『知らず知らず隠してた
本当の声を響かせてよ、ほら
見ないフリしていても
確かにそこにある』
ここのパートは合唱が入る一番伝えたい部分になる。前述していた曖昧に肯定していた心の奥にある思いが聞きたいと自分の中の誰かが言っている。
『感じたままに描く
自分で選んだその色で
眠い空気纏う朝に
訪れた青い世界
好きなものを好きだと言う
怖くて仕方ないけど
本当の自分 出会えた気がしたんだ』
サビでは自分が主役となって、自分の好きな道を歩く自分を見つけたような気がしている、気になっている。
『嗚呼、手を伸ばせば伸ばすほどに
遠くへゆく
思うようにいかない
今日もまた慌ただしくもがいてる
悔しい気持ちもただ情けなくて
涙が出る 踏み込むほど
苦しくなる 痛くもなる』
主人公の心の中がもどかしい気持ちでいっぱいになり、そうして涙が出るほど悔しい気持ちになっている。しかし、それはいいことだと思う。それは、失敗してもチャレンジしていることの証拠だからだ。
『感じたままに進む
自分で選んだこの道を
重いまぶた擦る夜に
しがみついた青い誓い
好きなことを続けること
それは「楽しい」だけじゃない
本当にできる? 不安になるけど』
自分の青い、いや青臭い誓いにしがみついてでも喰らいつてやる!という気持ちが伝わってくるようだ。ただ「楽しい」は遊びではなく、誓いを自分のモノにするための戦いだということ。
『何枚でも ほら何枚でも
自信がないから描いてきたんだよ
何回でも ほら何回でも
積み上げてきたことが武器になる
周りを見たって 誰と比べたって
僕にしか出来ないことはなんだ
今でも自信なんかない それでも』
ここで主人公の好きな道が「美術」であることがわかる。チャレンジして絵を描くことがその積み上げが自分の武器になることだと言い切っている。僕にしか出来ないことは何だ?それを問い続けることが正しいことだ。
『感じたことない気持ち
知らずにいた想い
あの日踏み出して初めて感じた
この痛みも全部
好きなものと向き合うことで
触れたまだ小さな光
大丈夫、行こう、
あとは楽しむだけだ』
小さな光は青い誓いであり、群青である。好きなものが苦痛になっても続けることが出来れば、それは楽しむことに繋がるだろう。
『全てを賭けて描く
自分にしか出せない色で
朝も夜も走り続け
見つけ出した青い光
好きなものと向き合うこと
今だって怖いことだけど
もう今はあの日の透明な僕じゃない
ありのままのかけがえのない僕だ』
自分の命を削るくらい全てを賭けて描くことは、もがいていて苦しい状態だが、その暗闇に射す「青い光」これこそが「かけがえのない僕だ」
『知らず知らず隠してた
本当の声を響かせてよ、ほら
見ないふりしていても
確かにそこに 今もそこにあるよ
知らず知らず隠してた
本当の声を響かせてよ、さあ
見ないフリしていても
確かにそこに 君の中に』
同じフレーズだが、一番リスナーの心に残るフレーズだ。隠したつもりはないが、自分の中で好きなものが見つかり、気づき、行動していく。そして、悩み苦しんだ分だけ、自分だけの「群青」という「青い光」が見えて来るに違いない。
【まとめ】
初めてこの曲を聴いて何も感じなかったが、こうして詞を考察してみると、感じることがいっぱいあった。特に感じたことが、好きなものを見つけ、そして、行動して、もがいてもがいて、もがき抜いた先に青い光、つまり希望の光が自分の中に射すのだと。